1.特長
- LCR型フォノイコライザ
低域の解像度と分解能に優れ、厚みのある中域、繊細で安定した高域を実現 - 現代のアナログ再生に求められる各種機能を装備。
大型MUTEスイッチ、ゲインHigh切り替え、ステレオ・モノラル切り替え、サブソニックフィルタ、カートリッジでガウス機能 - 完全L/Rモノブロック独立構成でL/Rの干渉をなくしチャンネルセパレーションを改善
- 各種カートリッジに対応する入力モジュールを準備
【標準装備】 MM 負荷抵抗、キャパシタ値を可変可能、MC ローインピダンス専用、14Ω以下 XLRバランス受け、RCA
【オプション】 2スロット オプションカードは別売 - オールディスクリート国産TrとFETによるハイゲイン、超低歪、超低ノイズ,高ドライブ力の増幅回路モジュールを開発
ドライブ力に優れ力強くかつ繊細なサウンドを実現 - オーロラサウンド特別カスタム ルンダール社製RIAAフィルターコイル (VIDAと同じ)
- 抵抗は国産のオーディオ専用に開発された金属皮膜型、誤差+/-1%を採用
- 電解コンデンサも国産の安定した品質を採用
- フィルムコンデンサはドイツWIMA製ポリプロピレンコンデンサを採用
- すべての信号接点には高信頼性リレーにを採用、長期間にわたって安定した信号経路を確保
- 削り出しロジウムメッキRCA端子、ノイトリック社製XLR端子採用
- リジッドで堅牢な重量級オールソリッドアルミニウムシャーシで内部回路を支える
- カーボン配合鋳フットインシュレータ
- 別電源ユニットによるローノイズを実現
- 医療グレードの大容量トロイダルトランスをL/R独立採用
- 新開発OFC反転同心撚り電源ケーブルでよりよい解像度、明瞭度、奥行感を実現
- 本体+電源ユニット 定価 1,108,800円 消費税込み
2.フロントパネルとバックパネル
オールソリッドアルミニウムの堅牢なボディ
3.各種プラグイン式オプションモジュール、別売
4.外観写真
背面部写真 標準 オプション装着無
背面部写真 MCハイインピダンス + 逆RIAA オプション装着時
5.本体ブロック図
6.電気的特性
入力 | MM ゲイン 40dB 負荷インピダンス切り替え 47kΩ/14kΩ 100pF/0/330pF MC ゲイン 62.5dB カートリッジインピダンス14Ω以下に対応 オプション 2スロット |
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出力 | ラインレベル RCAアンバランス、XLRバランス (1/GND, 2/Hot, 3/Cold) |
出力インピダンス | RCA 47Ω, XLRバランス 47Ω |
RIAA偏差 | 10Hz -20kHz +/- 0.25dB |
入力換算ノイズ | MC -144dBV, MM -126dBV |
THD+N | MC 0.008%, MM 0.008% |
各種機能 | ゲイン切り替え Highで +8dB サブソニックフィルター -12dB/oct. 20Hz カートリッジデガウス パッシブ型 ステレオ・モノ切り替え (L/R信号をミックスし、縦方向の振動をキャンセルする) MUTE (使いやすい大型MUTEボタン) オートMUTE機能 (外部からのショックやホットプラグ時のノイズに対して自動でMUTE をかけ、スピーカやアンプにダメージを与えないよう保護する) |
大きさ | 本体 W420 x D350 xH106mm 電源ユニット W270 xD154 xH85mm 突起物含む |
重量 | 本体 9.2kg 電源ユニット 3.2kg |
消費電力 | AC100V 50/60Hz 60W |
PSUケーブル長 | 約95cm 2本 |
7.内部写真、その他
内部写真、完全L/R独配置 | オーロラサウンドロゴ入り 特別カスタムRIAAフィルターコイル 4基搭載 |
プラグインモジュール 挿入確認用小窓 |
専用パワーサプライユニット L/R は内部で独立 新開発電源ケーブル 2本 L/R完全独立 OFC線、反転同心撚り、アルミ箔によるシールド |
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8.よくある質問とその答え
1.LCR型とは何ですか? その特長は?
LRCのLはインダクターつまりコイルのこと、Cはキャパシタ、コンデンサのこと、Rはレジスタ、抵抗のことです。
コイルとコンデンサと抵抗の3種類を使ってRIAAフィルターネットワークを構成しアナログレコードに刻まれた周波数特性をフラットに戻します。LCRを使うことによりすべての周波数に対して一定のインピダンスとなり理想的なイコライジングと増幅が可能です。低域の解像度、ひずみ率が大きく改善され、高域の安定度が増しますのでライブ録音などの演奏者の熱気や会場の雰囲気が良く再現され、またピアノなどの高音の強打に対してもヒステリックになりません。一般的なフォノイコライザアンプはLを使わずCとRだけで構成されている CR型、またはNF型です。LCR型はLの部品があるためコストがかかり、またこのLは製造上のばらつき偏差があり量産に向いていないため大手メーカではどこも作っていません。オーロラサウンドはスエーデンのプロオーディオトランス専門メーカであるルンダール社に依頼して専用のLを開発し、ばらつき偏差を抑える工夫をしています。出荷時には1台1台のRIAA補正を+/-0.25dB以内に収めるよう抵抗やコンデンサのトリミングをしています。LCR型はフォノイコライザアンプの最終形といえるでしょう。
2. VIDA Supremeの標準装備とオプションについて
標準ではMMとMCの2つの入力を備えています。MMにはカートリッジの負荷抵抗値と容量値が変えられるSWを装備、MCはルンダール社製のステップアップトランスを内蔵し、現代の主流である14Ω以下のカートリッジに適応します。 オプションとしてスロットイン式の追加入力が2つあり、これに対応するカードを別売で準備しています。同様のMM、MCに加え15Ω以上のハイインピダンスMCカートリッジに適応したカード、12段階のインピダンス切り替え可能な半導体式のMCヘッドアンプ、逆RIAAカードなどがあります。
3. MCトランスとMCヘッドアンプの違いは?
MCステップアップトランスはMCカートリッジの信号をトランスを使ってその電圧レベルをMM並みに変換します。トランスだけを使い、増幅素子や電源を使いませんので非常にローノイズで、またトランス特有の空間再現性に優れています。VIDA-SupremeではMCカートリッジのインピダンスをLowとHighに大きく分類してそれぞれ専用のトランスを準備しています。外部からの輻射ノイズに弱いのが欠点ですのでノイズ発生元となるパワーアンプやデジタル機器から少し話して設置してください。半導体式ヘッドアンプはディスクリートFETとトランジスタを使ったアンプで、MCカートリッジのインピダンスに対して細かく調節することが可能です。広い周波数特性を持っておりワイドレンジで現代的なサウンドです。お好みに合わせてお選びください。
4.逆RIAAとはなんですか?
CDなどのラレインレベルのフラットな信号をレコードに刻まれたRIAAの周波数特性に変換するものです。このオプションカードを使いますとCDの信号がカートリッジの信号と同じ特性になり、それをVIDA Supremeを通して再生します。直接CDを聴くよりも音に厚みが増し音楽のエッセンスが現れるようなサウンドになります。これはデジタルサウンドにアナログ的な味付けをするものですのでオプションになっています。
5.オプションカードの装着方法は?
各種オプションカードはご自分で装着することができます。まずVIDA Supremeの電源を切ってください。それからオプションカードを背面パネルのスロットに差し込みます。その時上面にある小さな銀の窓パネルを開ければコネクタが正しく挿入されているかどうかを確認できます。最後に2つのつまみねじを締めてカードをしっかりと固定します。正しく装着されていれば前面パネルにある2つのLEDが点灯します。 詳しくは取り扱説明書に書かれています。
6.外部電源ユニットの長所は?
フォノイコライザアンプはMCカートリッジの微小な信号を約2000倍以上増幅します。これはパワーアンプの約20倍、プリアンプの10倍程度に比べて桁違いな値です。音楽信号だけでなく外部からの輻射ノイズや回路自身が発生するノイズも同様に増幅します。自分の電源トランスが発するノイズや振動の影響に対して大変敏感です。この影響を少なくするにはトランスを外部に出して別筐体にすることが最も有効です。
7. なぜMUTEボタンは大きいのですか?
レコードに針を下ろしたりあげたりするたびにプリアンプのボリュームを回していませんか? アナログファンは一日に何十回とこの作業をするでしょう。回数が多くなりますとボリュームに負担がかかり故障の原因になります。VIDA Supremeでは大きいMUTEボタンを装備しこの作業を不要にしました。従来製品のVIDAをお使いのお客様からも大変好評ですのでSupremeでも採用しました。Aurorasoundのフォノイコライザアンプの特長の一つになっています。
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8. 今までのVIDAとの違いは ?
新開発のディスクリート半導体の増幅モジュールを4個採用し、音に力強さと厚みを増しました。ソリッドアルミの堅牢な筐体とL/R完全独立構成により静粛性、空間再現性、奥行感が増しました。ルンダール社製のRIAAコイルは同じものを使っています。今までのVIDAも販売を続けていきますのでLCR型フォノイコライザのサウンドを楽しむ選択肢が増えました。